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http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090704-OYT1T00068.htm
住民訴訟敗訴…首長への賠償請求阻む自治体
住民訴訟で敗訴し、判決で「違法な公金支出があり、首長に賠償を求めなければならない」と認定された自治体が、判決の確定前に、賠償請求権を放棄するケースが相次いでいる。
請求権放棄には議会の議決が必要だが、議会が首長へのチェック機能を果たすどころか、“先手”を打って首長への責任追及を阻んでいる形だ。地方議会の多数派が首長を守るなれあいの構図が背景にあるとみられるが、住民側は「訴訟を起こす意味がなくなる」と反発。国は、請求権放棄の議決の制限を検討し始めた。
東京都の西部、人口約2800人の檜原村。村は4月、坂本義次村長(64)個人に対する約756万円の賠償請求権を放棄した。
訴訟は丸山美子村議(60)が、非常勤職員への賃金支出が不当だとして起こした。東京地裁では村が勝訴したが、昨年12月の2審・東京高裁判決は「支出は違法」と認定。村は上告する一方、村議会が3月、請求権放棄の議案を可決した。
自分の債務を免除した形の坂本村長は「議会の判断を尊重しただけ」と話すが、丸山村議は「議会が先回りして『賠償はいらない』と言い、司法判断を無視するなんて論外だ」と憤る。
地方自治法は、自治体が権利を放棄する場合には議会の同意が必要と定めており、同様の「放棄」は各地で起きている。
外郭団体に派遣した職員への人件費の支給を巡り、1審で計約48億円の賠償を市長と外郭団体に請求するよう命じられた神戸市は、2月の市議会で、請求権を全額放棄する条例案を提案した。市側は「個人が支払えない多額の賠償請求をすることは大いに疑問」などと説明し、賛成多数で放棄が認められた。
大阪の茨木市や大東市でも昨年、1審で市側敗訴後、それぞれ約6600万円と269万円の請求権の放棄を市議会で可決。大東市では訴訟を起こした光城敏雄市議(51)を除く全員が賛成した。同市議は「住民が訴訟で勝ち取った財産を議論もせずに手放し、首長の利益を図るとは、市への背任行為だ」と指摘する。
裁判途中の請求権放棄により、自治体が賠償金を得られなくなるだけでなく、違法行為の責任の明確化という住民訴訟本来の目的も失われる。
大東市の裁判では、市議会が請求権放棄を決めた後の3月の大阪高裁判決では、「住民の代表である議会の議決により、請求権は消滅した」として、住民が逆転敗訴。千葉、山梨などのケースでも、議会の請求権放棄が有効とされ、支出の違法性に踏み込まないまま、住民敗訴が確定している。
こうした中、政府の地方制度調査会は6月、「係争中の請求権放棄は住民訴訟制度の趣旨を損ないかねない」と答申した。総務省は今後、議会による請求権放棄の議決を制限する法改正などを検討する予定だ。
檜原村や、茨木、大東、神戸の訴訟は最高裁に係属している。(木下敦子)
◆住民訴訟=違法な公金支出などで自治体に損害が生じた場合、住民監査請求を経て、住民が損害の回復などを求める訴訟。住民が自治体を相手取り、損害を与えた首長や企業に賠償請求をするよう求める形で、住民が勝訴すれば、自治体は、首長個人などに賠償請求しなければならない。
(2009年7月4日13時30分 読売新聞)
==みつしろ==
http://www.asahi-net.or.jp/~se5t-mtsr/
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